「何をやってもうまくいかない」と言われたことで、ジタバタしなくなった起業当時の自分

日本経営気学協会 副理事長の杉﨑です。

当協会の名称にある「経営気学」という言葉は、みなさん、あまり馴染みがないと思いますが、実はこれは当協会の造語です。

なぜ「経営」と「気学」を結びつけたのか・・・今回は、私自身の経験を元にお話ししたいと思います。

起業1年目は順調、しかし2年目で元請けから契約解除

もともと私は、技術系起業に勤めるサラリーマンでした。

サラリーマン当時、複数のプロジェクトを任されたり、コンペでも優勝したりするなど、そこそこ実績を重ねていました。立場的に他の社員の方々よりも外の世界を見る機会に恵まれていたこともあり、次第に自分の「やりたいこと」や「想い」が強くなってきて、2015年、フリーランスのWEBクリエイターとして起業することに決めました。

夢を追うような形で起業するわけですが、先行きの不安を感じていたのも事実です。

そのことを知人に話したところ、試しに占いをやってもらおうということになり、知人から紹介された占い師のところに行きました。

結構本格的な占いでしたが、期待と不安が入り混じる中、鑑定として言われたのは次のことです。

「起業するタイミングとして今年は良い。ただ、来年から2年くらいは収益は見込めず、何をやってもうまくいかないので、基盤づくりに励むこと」

これを聞いた瞬間、正直「これってどうよ?」という感じになりました。いまさらそんなこと言われても・・・

でも、すでに辞表も出しているので後戻りはできません。自分はこれまでの実績もあるし、クリエイターというのは自分の能力で勝負する世界、「実力でなんとかしてやる」という、意地にも似た気持ちで起業しました。

起業して一週間、心配してくれた知人がホームページ制作会社を紹介してくれました。サラリーマン時代より収入は減りましたが、半年間の契約を結ぶことができ、起業してすぐに安定収入を得ることができたのです!

「この調子で2、3年頑張って、なんとか流れを作るぞ」という意気込みもあり、発注元の依頼はすべて受けました。締め切りを守るために土日も休まず、とにかくクライアントとの信頼関係を深める努力をしました。

ただ、2年目の半ばを過ぎた頃、仕事を発注してくれた制作会社から契約打ち切りの連絡が入りました。他のフリーランスクリエイターに切り替えたとのことです。

今の時代、クリエイターとして起業したい場合、パソコン1台とソフトウェアを使いこなせれば、特に資格は要りません。ランサーズやクラウドワークスを見ると、非常に多くのフリーランスクリエイターが登録していますが、私と同じくらいのスペックで、安いクリエイターを見つけることはいくらでも可能でしょう。

それまで新規営業をしてこなかった私は、起業2年目にしてクライアントゼロという状況に陥ったのです。

落ち込んだ売上、目の前に2つの選択肢、選んだのは「ジタバタしない」

仕事を切られた私は、ネットに広告を出したり、異業種交流会に出てみたりと、新規顧客獲得に努めました。

その営業活動の中で、いくつかお仕事をいただくこともできたのですが、とにかくトラブル続きです。要求が高い割に、異常なくらい格安だったり、納品してもお金を払ってくれなかったり・・・常識として考えられないような日本の下請けの現実を目の当たりにしました。

確定申告の時はとてもつらかったです。1年目に比べ、売り上げが激減しているのを見て、起業時に占い師から言われた「何をやってもうまくいかないので、基盤づくりに励むこと」という言葉が思い浮かんできました。

その一方で、異業種交流会で出会った「集客のプロ」という方から、彼が主催するセミナーの案内が届きました。30万円近くするセミナーでしたが、新規顧客獲得に焦っていたので、申し込んでみるのもありかな、と思いました。

この時、目の前には次の2つの選択肢が並んでいました。

  1. ジタバタせず、もう一度自分の事業を見直し、占い師から言われたように「基盤づくり」に励むこと
  2. さらに集客の能力を高めるため、「集客のプロ」のセミナーに申し込むこと

日々迷っている中、「集客のプロ」から、名刺交換をした人限定のランチ交流会への招待が届きました。そこで「個別相談タイム」があると書いてあったので、すがるような思いで参加し、これからどうすれば良いか相談してみました。

するとその方から「集客はテクニックです。やり方を間違えなければ、売り上げは右肩上がりになりますよ」とアドバイスを受けました。

この言葉を聞いたとき、ふと営業で出会った社長さんの言葉を思い出しました。

「会社はね、良い時もあれば悪い時もあるからね」

最初はなんとも思いませんでしたが、確かに業績が常に右肩上がりの会社というのは聞いたことがありません。日本の大手企業だけでなく、GoogleやAppleといった世界的企業もそれは同じ・・・だから株価もバロメーターのような波線を描いているわけで・・・

私はセミナーの申し込みをやめ、1番目を選ぶことに決めました。

「いまは底。ジタバタしないこと」

そう思えた瞬間、現在の状況をすべて受け入れることができました。(『7つの習慣』のパラダイムシフトが起きたときみたいでした。)

営業に行って断られても「そういう時期なのだ」と思えば、落ち込むこともなくなりました。それだけでなく、希望通りの売り上げがあげられたときでも、「これが当たり前」と考え、有頂天になることもなくなりました。

この感覚はサラリーマン時代には味わったことがありません。自分の中で、明らかに何かが変わった気がしました。

9年サイクルという考え方との出会い

そう考えるうちに、起業するときに会いに行った占い師が、いったい何を元に占ったのか調べてみたところ、それが「九星気学風水」であることがわかりました。

早速「九星気学風水」関連の本を買って読んでみました。方位や相性など、様々なことが書かれていましたが、特に面白いと思ったのは、9年を一つのサイクルと考えている点です。

自分は技術の世界に30年以上携わってきましたが、製品やそれに使われる技術には、必ず寿命があることを知っています。そのため、技術者は常に新しい知識を学ぶことを求められます。

それが毎年だと、体力的にとてもきつく、結局挫折してしまうのですが、9年という周期ならば可能だと思いました。それがプログラミング言語やソフトウェア操作の習得でなくても、新たな製品やサービスをしっかり考えるには、十分なサイクルです。

おそらくそれは、会社経営も同じでしょう。

世の中の経営者は、常に新しい情報を収集し、勉強に励んでいらっしゃいます。

時々、トレンドを追うあまり、儲かる分野に毎年手を出し、どれもモノにできないまま、失敗を繰り返す経営者の方をお見掛けします。ノウハウをためるにしても、1年ではおそらくサイクルが短すぎるのだと思います。

さらに興味深いのは、「九星気学風水」は9年のサイクルを、次のような感じで段階的に捉えている点です。

  1. 万初(坎入)
  2. 基盤
  3. 顕現
  4. 繁栄
  5. 中央完成
  6. 充実
  7. 悦び
  8. 変革
  9. 離合

これらの用語は、それぞれの年に、どのように行動したら良いのかを示す一種の見立てだと考えることができますが、この段階的な流れこそ、まさに会社経営に馴染むのではないかと思いました。

この話をする際、時々「最後の離合の後、会社は倒産するのですか」と不安そうに質問する経営者の方がいらっしゃいますが、そうではありません。

「離合」が9番目だからと言って、それで終わりというわけではありません。「離合」という言葉が示す通り、これまでのステージを離れ、新たな出会いがあるという意味があります。

ただ、「離合」の年になったとき、それまでの8年間、何もしないでぼんやり過ごしたら、新たな出会いがあるというわけではないようです。

事業をやるにあたり、種まきの時期にきちんと種を撒けたか、水やりの時期に間違って芽を刈り取っていないか、収穫の時期のタイミングを逃していないか、収穫後に何も残っていないのに無駄な行動はしていないか・・・

新たな出会いというのは、まさに「運」だと思いますが、その「運」を自らのものにするためには、きちんと行動することが大切と言えます。

9年サイクルで行動し、会社の「運」を変えていく「経営気学」

こう考えると、過去に有名な日本の経営者たちが「九星気学風水」を取り入れていたのも納得できます。

経験ではなく、一つの流れの中で自分の行動を見定め、それを一つ一つ粛々と実践していくこと・・・それは、たとえば業績が悪い時にジタバタしないことだけでなく、業績が良い時にも有頂天にならず、冷静に次の行動を起こすことができます。経営者にはとても必要な素質だと言えるでしょう。

そして、経営者がこのように行動することで、会社の将来にある「運」はいくらでも変えられると思います。

「経営気学」という言葉は、まさにそういった想いから作りました。経営者のみなさん、ぜひ当協会と一緒に「気学」を軸に経営を考え、行動してみてはいかがでしょうか。