「冬の時期」と言われた経営者は、いったいどのように行動すればいいのだろう?

日本経営気学協会 副理事長の杉﨑です。

もし経営者のあなたがアドバイスを貰おうと誰かのところに相談しに行ったとき、「今年は冬の時期ですので、困難や苦労が多いでしょう」と言われたらどうしますか?

ほとんどの方は焦ってしまい、「いったいどうすれば良いのでしょう?」と、不安げに質問をすると思います。中には「そんなことはない、自分はこれまで順風満帆、売上も毎年伸びているし・・・」と反論される方もいます。

なぜ焦ったり、不安な気持ちになったりするのかといえば、「冬の時期」というのが、暗くて動きも鈍く、なにをやっても上手くいってないようなマイナスの印象だからだと思います。

一方、当協会では「冬の時期」をマイナスであるとはまったく考えていません。

西河理事長が「ビジネスの発展・継続に必須の条件とは?」で、凍結解凍覚醒法で栽培したバナナや桜の開花の仕組みでたとえているように、発展を遂げた経営者を見ていると、暗くて寒い「冬の時期」を経験した後で大きく成長しています。「冬の時期」を経験してない人、あるいは気付かない人というのは、成長・発展の機会をむしろ逃しているのかもしれませんね。

それほどまでに「冬の時期」というのは成長する過程で大切なのですが、実際に「あなたは冬の時期にいます」と言われると、多くの方は不安や焦りに捕らわれてしまうと思います。

ではいったい「冬の時期」に入った経営者は、どのような気持ちで苦労や困難に臨み、どのように行動すると良いのでしょうか。

あなたはそもそもどんな時期にいるのか

気学では、「冬の時期」が9年に1度訪れます。訪れるタイミングですが、誰でも同じというわけではなく、生まれた時(生年月日)によって決まります。

そもそも、自分がいま「冬の時期」にいるのかどうか把握されている方は少ないと思いますので、ぜひ当協会のトップページにあるツールをご活用ください。

もし結果が「坎入、万初」と出た場合、気学の観点から、あなたは「冬の時期」にいると言えます。

それ以外の結果の方も、何年前が「冬の時期」だったのか、次の「冬の時期」は何年後かを思い浮かべながら、本コラムをお読みいただけるとありがたいです。

※こういった話をすると、毎回何人かの方からいろんな意見をいただきます。

人は生まれながらにして平等なのだから誕生日で自分の運命がわかるわけがない・・・技術がこれだけ発達してるだから気学の教えなどなくてもテクノロジーが解決してくれる・・・

私たちは、自分が好きな誕生日に生まれてきたわけではありませんし、ましてや両親の年収や職業、生活環境を選んで生まれてきたわけでもありません。そう考えると、私たちは生まれた瞬間から、自分の生そのものを無条件に受け入れなくてはいけない存在なのかもしれません。(それを「宿命」と呼ぶこともできます。)

ただ、未来というのは、その人の行動次第で、良い方向にも悪い方向にも変えられます。(それを「運命」と呼ぶこともできます)。

そのための行動指針として、当協会では気学を活用しています。そして経営者にとって、気学で考える「冬の時期」を迎える意味を知るというのは、とても大切なことと考えています。

「冬の時期」は最悪の時期ではなく、9年間の出発点

「今年は困難や苦労が多いです」と言われてしまうと、ついつい「今は最悪の時期かぁ」と落ち込みがちになりますが、決して不安になる必要はありません。

9年を1周期と考える気学では、1年毎に次のような9つの段階で移り変わっていくものと捉えています。

  1. 坎入、万初
  2. 基盤
  3. 顕現
  4. 繁栄
  5. 中央完成
  6. 充実
  7. 収穫
  8. 変革
  9. 離合

上記を見るとお分かりになると思いますが、「冬の時期」にあたる「坎入、万初」は、これから始まる9年周期の出発点です。

確かに困難や苦労が多い時期ですが、これからアップスパイラルに入る最初のタイミングですので、次の8年につなげるために、この1年をどのように行動するかがとても大切なのです。

「冬の時期」を実感できない人は、発展・成長の機会を損失している

「冬の時期なんて今までなかった」という人も中にはいると思いますが、そういう方はもしかしたら発展・成長の機会を逃している可能性があります。

少し話が逸れますが、ある経営者の方から、「雇っている社員がすごい成長をした」という話を伺いました。

その社員が成長するにあたり、どういう教育をしたのか質問したら、「特に何も教えていない」とのこと。ではその社員が成長するきっかけでもあったのか聞いたところ、「一度大失敗やらかした」と話されていました。

「結構大きな失敗やらかしたんだけど、逃げずに責任を全部受け止めて、しっかり対応して、まぁまぁリカバリーしてくれた。あとで本人に聞いてみたら『入社以来、はじめて自分がどれ程ダメだったかわかって、本気で焦って、本気で仕事した』って言ってたよ」

これと同じような話が、マンガ『ドラゴン桜』で有名な三田紀房作『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(8) (モーニングコミックス)』にも出てきます。

上記8巻の冒頭、主人公が会社の人事について学ぶエピソードが出てきますが、そこで人事部長が次のように語ります。

有能な人は思いっきり失敗すれば自分の至らなさに気がつく
自分で気がつけば本気になる
本気になれば人は変われる
人は化けられる

それとは反対に、一生化けられない社員は、「失敗を自分の失敗だと受け取らない・・・失敗を認めず責任逃れをする」、そういう社員は「会社が厳しくなったら真っ先にリストラの候補にあがる」とのこと。

ここで「大化けする」社員にとっての「失敗の経験」というのは、まさに「冬の時期」にあたると思いますが、様々な経営者の創業物語を読んでみても、必ずといって良いほど、「冬の時期」にあたる大きな失敗談があります。

結局のところ、経営者が化ける理屈も同じなのでしょう。人が「化ける」には「冬の時期」を真正面から受け止る必要があり、だからこそ次の季節に大きな発展・成長を遂げることができると言えるのです。

検証と準備、そして翌年の「基盤」に備える

では、この「冬の時期」にあたる「坎入、万初」では、いったい何をすれば良いのでしょうか。

「坎」という漢字は、「土(つちへん)」に「欠」けると書きますが、「落とし穴に入る」というような意味合いがあります。

そのような時期、当協会では以下のようなことをおすすめしています。

  • 自分としっかり向き合い、自分には何が足りていないのか、やろうと思って棚上げにしていることはないかを考え、リストアップし、それにじっくり着手する。
  • 次の「基盤」にあたる「初春の時期」、しっかりと土壌づくりをするために何を準備したらいいのか、丁寧に考える。

例えば、これから始まる9年間を迎えるにあたり、直前の9年間はどうだったのか、特に一つ前の「秋の時期」に何が起きのたかを整理し、そこで問題が残っているようなら、その問題に向き合い、しっかり検証するが良いでしょう。

特に「秋の時期」の収穫が良かったりすると、人というのは慢心になりがちです。だからこそ経営者の方は、「坎入」で一度気持ちをリセットし、定期的に新たな出発点に立つことが大切ですね。

さらに、「春」へ向けて自分を取り巻く環境や人間関係も見直されると良いかもしれません。

その検証作業の中で、次の「秋の時期」にどのような収穫が欲しいのか思い浮かべ、それを経営のビジョンとして描くことをお勧めしています。

たまに過去にビジョンをアップデートしない経営者の方がいますが、過去に作ったビジョンというのは時代の移り変わりとともに古臭くなってしまいます。気学の流れに沿って過ごすことで、自分が「坎入」したタイミングでビジョンを見直す習慣づくりにもなりますね。

たった一人で「冬の時期」を過ごすのはしんどい

気学に沿って行動することで、定期的な振り返りができるようになるわけですが、そうはいっても経営者というのは忙しく、社員の期待に応え続けなければいけません。

そういったプレッシャーの中、経営者の方が上記のように「冬の時期」をたった一人で過ごすのは、とてもしんどいことだと思います。

私自身の話をすると、「坎入、万初」の時期は本当に何をやってもダメでした。広告などに高額な資金を投入したり、高額なコンサルティングを受けたり、セミナーに参加したりと、ものすごくジタバタし、結果として資金だけを使い果たしてしまった経験があります。

もしできることなら、一人でやろうとせず、同じように「冬の時期」を迎えている経営者仲間を見つけ、月1回程度会って、お互いのことを語り合うことをお勧めしています。その会話の中で、お互いの「秋の時期」を振り返ったり、次の収穫に向けたビジョンを語り合うのも良いかもしれません。

いずれにしても、この「冬の時期」はしっかり受け止める必要があります。「坎入、万初」は発展・成長を遂げるために欠かせない1年間であり、これからはじまる9年間の出発点に立っているということを意識し、行動することが大切なのです。